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百年前の昨日と今日 1922年8月5日(土)8月6日(日) 井上正子日記

1922年(大正11)8月5日

八月五日 土曜日 晴 起床六時 就眠十時

母上暑気にさわられたか少し身体を悪くなすって今朝からやすんでいらっしゃる。この頃の暑さはたまらない。

毎日毎日九十二度、三度[華氏/摂氏33・3-33・8℃]と寒暖計はどんどん上る。

あえぐ様にしてその日その日を送る。


1922年(大正11)8月6日

八月六日 日曜日 晴 起床六時前 就眠十時

母上は今日は少し快く、朝からぶらぶらしていられた。

母上の浴衣を一日で仕上ぐ。母上〝今年はよく家のお手伝い出来ましたね〟って褒めていただいて、たまらなく嬉しくて、もっともっとしましょうなんて思っていた。夜京極へ母上と買物に出かける。

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1922年(大正11)8月28日 八月廿八日 月曜日 晴 起床五時 就眠十時 朝食後、直に大谷大谷[東山の大谷祖廟/図地 g-3]へ参詣に行く。黒味を帯びたる緑の松の木の間からかすかに美しい朝の日の光はさしこんでいる。 石の敷石は掃き清められているのが遠く連なっている。 二、三の人影が見える。私の歩む下駄のひびきがはっきり分かる。 静かな朝の気分にうっとりとひたりながら何にも考えないで足を運ばせる

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