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百年前の昨日と今日 1922年8月23日(水)8月24日(木) 井上正子日記

1922年(大正11)8月23日

八月廿三日 水曜日 晴 起床五時 就眠十時

地蔵盆で町内の子供等はお地蔵さんの祀ってある前でいろいろのお供物をして賑やかに遊んでいる。

塵払いと竹楊子とたわしが福引で当った。

夜女中が帰って来る。宿[奉公人の親元]に帰って平日の疲れをやすめてほんとに愉快だったろうと私にはよく分かった。


地蔵盆 京都を中心とする近畿地方で、8月23、24日(地蔵尊の縁日)におこなわれる地蔵菩薩をまつる行事。京都では辻々の祠に安置される地蔵尊を華やかにお飾りし、供物をそなえ、その前で数珠回しや町内の子どもが集まってゲームなどをして遊ぶ。近年は少子化で地蔵盆は簡素化している。



1922年(大正11)8月24日

八月廿四日 木曜日 晴 起床五時三十分 就眠十時

今日は立って働かないでお裁縫を少しきばる。

張物[伸子張り]も少しばかりした。でも京都はこんなに静かなうららの日なのに、東京地方では大嵐で随分の難があった事が新聞に伝えられてあった。


東京地方では大嵐 中型の台風(960 hpa)は、24日午前0時、沼津-静岡間に上陸、富士山麓掠めて同6時に埼玉を通過。焼津では高潮が発生した。(『大阪毎日新聞』7月24日夕刊)




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1922年(大正11)8月28日 八月廿八日 月曜日 晴 起床五時 就眠十時 朝食後、直に大谷大谷[東山の大谷祖廟/図地 g-3]へ参詣に行く。黒味を帯びたる緑の松の木の間からかすかに美しい朝の日の光はさしこんでいる。 石の敷石は掃き清められているのが遠く連なっている。 二、三の人影が見える。私の歩む下駄のひびきがはっきり分かる。 静かな朝の気分にうっとりとひたりながら何にも考えないで足を運ばせる

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