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百年前の昨日と今日 1922年7月19日(水)20日(木) 井上正子日記

幾年か満州の風におあたりになった故か


1922年(大正11)7月19日

七月拾九日 水曜日 晴 起床六時 就眠十時半

叔母様に久々にお会いする。

幾年か満州の風におあたりになった故か、伯父様と同じ様な満州色をした顔になっていらっしゃったのに先ず驚く。

悦ちゃんがなつかしいお母様に会ったので、嬉しそうに大きいほほにえくぼを入れていた。

夜京極へ散歩に行く。まだお祭の神輿がお旅町[〈御旅町〉四条通寺町西入ル]にまつってあった。

伯母様〝田舎者が町へ出ると、沢山欲しいものがありますよ〟ってほほえまれながら、お土産のものを沢山買っていらっしった。


1922年(大正11)7月20日

七月二拾日 木曜日 晴 起床六時 就眠十一時

悦ちやん成績表いただいて来る。今度から甲乙でなく点数になったので評点がはっきり分かる。勉強したらしく、いつもよりよく出来ていた。

従弟の初七日の逮夜なので、父上も母上も伯母様も日暮しへおこしになる。

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1922年(大正11)8月28日 八月廿八日 月曜日 晴 起床五時 就眠十時 朝食後、直に大谷大谷[東山の大谷祖廟/図地 g-3]へ参詣に行く。黒味を帯びたる緑の松の木の間からかすかに美しい朝の日の光はさしこんでいる。 石の敷石は掃き清められているのが遠く連なっている。 二、三の人影が見える。私の歩む下駄のひびきがはっきり分かる。 静かな朝の気分にうっとりとひたりながら何にも考えないで足を運ばせる

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