TOKUSHOJI since 1476
甲辰令和六年 2024
七月二十八日(日)午後六時ゟ
於 德正寺
夏目漱石、異界に遊ぶ
安田 登 愛山公演
会場:德正寺本堂
開演:18:00(開門:17:30)
定員:50名
参加費:3,000円(税込)
出演
安田登
かすみ
本郷 智
名和紀子
田渕洋二郎
・
・・・漱石、異界に遊ぶ
明治の文豪、夏目漱石の『夢十夜』は十日間の夢を書いた作品です。
「もう死にます」と言って死んで行った女が百合となって甦ったり、盲目の我が子が背負って田の中の道を歩くうちに異界に迷い込んだりと、この世のすぐ隣にある異界に、夢という内部装置を通して接続していく作品群です。
その創作の源泉のひとつに「能」があります。能は、旅をする者が、死者や神、あるいは精霊たちの住む「彼岸ひがん」と、私たちの住む「此岸しがん」との「あはひあわい」に迷い込み、そこで彼岸の住人たちと接続する物語です。
夏目漱石は、能の謡を長い間、習っていました。安田が属するワキ方の「下掛しもがかり宝生ほうしょう流」の謡を習っていました。
漱石だけではありません。正岡子規は新作能を作っていましたし、高浜虚子は能楽師として舞台にも出ていました。野上豊一郎も野上弥生子も安倍能成も、そのほか、漱石に関わる人の多くが習っていました。
今回は夏目漱石の『夢十夜』と『吾輩は猫である』、そして能を中心に異界に遊ぶ夏目漱石についての講演+公演をいたします。
『夢十夜』から数夜、『吾輩は猫である』から一部を語り、能の話もし、そして皆さんと能の謡をいくつか謡いながら能の魅力についても語りたいと思っています。
安田 登・・・
安田 登(やすだのぼる)
1956(昭和31)年、千葉県銚子生れ。下掛宝生流能楽師。能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演も行う。また、日本と中国の古典に描かれた“身体性”を読み直す試みも長年継続している。著書に『異界を旅する能』『身体感覚で「芭蕉」を読みなおす。』『能―650年続いた仕掛けとは』他多数。
NHK Eテレにて 9月放送の〈 100分de名著〉 では、「ウェイリー版・源氏物語」を取り上げる。
*ご予約は
德正寺 井上 迅 いのうえじんまで
mail:info@tokushoji1476.com
tel:090-1902-3107
共催
㈱ ケイアソシエイツ
書く日記、
読む日記
酒井順子-網中いづる-井上 迅
正子日記をめくって座談会
場所:德正寺 本堂
会費:2500円
定員:70名
ご予約:メリーゴーランドKYOTO
mail:mgr-kyoto@globe.ocn.ne.jp
tel/fax:075-352-5408
*オンラインでの配信はありません
日時:
七月十五日 (月/海の日)
午後六時開演 (午後五時半開門)
井上正子 いのうえまさこ
1906年(明治39)京都市生まれ。 生家は下京区の真宗大谷派寺院 德正寺。18年(大正7)、京都市立高等女学校(現 京都市立堀川高等学校)に入学。同年5月より日記を綴る(〜 22年9月)。26年、京都府立第一高等女学校(現 京都府立鴨沂高等学校)の国語漢文専攻科二年を卒業。同年、 野田淨曜と結婚、野田正子となる。98年(平成10)、 滋賀県蒲生郡日野の真宗大谷派本誓寺の坊守として天寿を全うした 。行年91歳。
『ためさるる日 井上正子日記1918-1922』(法藏館)
井上正子のことを知らない私ではあるが、本書を読むにつれ、編者が納骨堂で初めて日記帳を開いた時の胸の高鳴りを共に感じるかのような気持ちになっていった。百年前の少女の体温や息遣いが日記からは感じられ、少女時代の自分と呼応していったのだ。
酒井順子「誰がために日記を認む」
(『週刊文春』2023年12月21日号)
『ためさるる日 井上正子日記1918-1922』(法藏館)が昨秋刊行されて以来、「正子さんのことを知らないのに、読みだしたら引き込まれて一気に読んでしまった」という感想を、男女を問わず何人もの方から聞きました。昨日も御門徒さんからお電話をいただいて、法事の予定を確認したあと、「大事な一冊となりました」と正子日記を読み終えた読後感を伝えられました。それは、この日記が、ひとが生まれて、新しく出会い、ともに過ごして、また別れねばならない、そうした大人になる過程で感じた、人生で誰もが味わうだろう何かが、ちゃんと認められていることを明かしているように思えるのです。生きた時代も、過ごした場所も違う誰かによって日々認められた日記が、そんなふうに読める時がある。酒井順子さんもまた、そのように正子日記を読んでくださった一人です。
本書が、京の町寺に生まれ育った百年前の女学生の日記であることから、わたしは『百年の女』、『女人京都』、『都と京』、『字を書く女』といった酒井さんの著書のタイトルを思い出します。これらのキーワードから正子日記はどんなふうに読むことができるのか?
酒井さんは『百年の女』の「はじめに」でこう書かれています。
まずは百年前の日本へと、時計の針を戻してみましょう。百年の間に変わったこと、そして変わらなかったことが、見えてくることでしょう。
『百年の女 《婦人公論》 が見た大正、昭和、平成』
(中央公論社、2018年)
酒井順子さん、そして酒井さんの本の多くに挿画を描き、德正寺とは家族ぐるみで親交があるイラストレーターの網中いづるさんをお迎えし、「まずは百年前の德正寺へと、時計の針を戻してみましょう」と魔法の杖を振っていただきましょう。
德正寺住職
井上 迅
酒井順子 さかいじゅんこ
1966(昭和41)年東京生まれ。高校時代より雑誌「オリーブ」に寄稿し、大学卒業後、広告会社勤務を経てエッセイ執筆に専念。2003(平成15)年に刊行した『負け犬の遠吠え』はベストセラーとなり、講談社エッセイ賞、婦人公論文芸賞を受賞。古典作品にまつわる著書も数多く、『枕草子』の現代語訳も手がけている。他の著書に『枕草子REMIX』『女流阿房列車』『紫式部の欲望』『ユーミンの罪』『地震と独身』『子の無い人生』『百年の女』『家族終了』『日本エッセイ小史』などがある。
網中いづる あみなかいづる
イラストレーター。少女たちの夢やノスタルジーを感じさせる光景を、透明感のある色彩を混濁させながら、或いは墨を用いたモノクロームの表現で伸びやかに描く。文芸書籍の装画や絵本を多く手がけ、店舗装飾やパッケージなど多様なブランドとのコラボレーションを展開している。一保堂茶舗のHPでは「お茶の暮らしイロイロ」の連載カットを担当。第38回講談社出版文化賞さしえ賞受賞。TIS会員。
井上 迅 いのうえじん
德正寺住職。筆名 扉野良人。2009年、りいぶる・とふんをアマチュア出版として立ち上げる。書物雑誌『sumus』『四月と十月』同人。著書に『ボマルツォのどんぐり』(晶文社)、『Love is 永田助太郎と戦争と音楽』(季村敏夫との共著)ほか。昨年11月、大伯母の日記『ためさるる日 井上正子日記 1918-1922』(発行所:法蔵館/編集人:井上 迅 テキスト:磯田道史-小林エリカ-藤原辰史-井上章子(インタビュー)/書籍体裁:四六判 約472ページ)を刊行。
REPORT
石川直樹 報告
ISHIKAWA NAOKI
最後のひとつ前の旅
ネパールヒマラヤ
と
能登
や
奈良
7/9 Tue, 2024
19:00 start
18:30 open
今春、8,000m峰最後の山、シシャパンマ登頂を目指してネパールへと向かった石川さんですが、登山許可が降りず、春の登頂は断念。仕切り直して、秋に登頂を目指すことになりました。春の遠征で起こったことや、秋の遠征に向けた思い、また、帰国した国内での出来事や能登半島への支援についてなど、短くも濃密なこの半年間についてお話しいただきます。
於・徳正寺本堂
定員・50名
参加費・2,500円
德正寺邦楽演奏会と体験会
日時:6月16日(日)
開演:13時(開場:12時半)
曲目:
雲井獅子
日本の小箱
春の海
鹿の遠音
水の変態
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14時半頃から
お琴、尺八の体験教室
500円 (お菓子とお茶つき)
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日本の和楽器であるお琴、尺八により奏でられる歌曲や独奏•合奏曲の演奏会です。
会の前半では普段邦楽に馴染みの薄い方にも親みを持って頂ける様に、親しみ易い旋律の古典曲をお琴や尺八の歴史を説明しながら演奏いたします。
会後半の体験会では、お琴や尺八を実際に手を取って音を奏でて頂く事が出来ます。演奏者がサポートしながら行いますので、音楽経験、男女、年齢は不問です。この機会に日本の伝統楽器に触れて頂けましたら幸いです。
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(お問い合わせ先)
075-312-0206 (島田雅楽恭)
shimizu.ims@gmail.com (清水翔之)
地獄 極楽 妖怪ショー‼︎
作・演出・構成・振付・出演:目黑大路 Meguro.Daiji
日時──
・6月1日土曜日
・・一回目 午前11時〜
・・二回目 午後3時〜
料金──
・・・・大人 2000円
・・小学生以下 500円
※小学生以下のお子様のみでのご観劇は、ご遠慮ください。
公演時間──
・・・・約50分
会場──
・・德正寺(下京区富小路通四条下る徳正寺町39)
問い合わせ──
・・080-4716-0214
妖怪は、怖い恐ろしいという一面だけではありません。
怖いと同時に
悲しかったり、
醜いと同時に
美しかったり、
可愛かったり、
滑稽だったりもします。
「不要になり打ち捨てられた物」
「社会から虐げられた者」
「不思議な自然現象」
が、人間の想像力によって妖怪に変化します。
妖怪は、人間の生活に密接にかかわっています。
時には、妖怪が人間のようだったり、人間が妖怪のようだったりもします。
お子様はもちろん、大人の方も存分に楽しんでいただけます。
目黑大路
目黑大路 めぐろだいぢ
元藤燁子に師事。2001~2003年、アスベスト館の作品に出演。2003年から、Ko&Edge Co.に参加(主宰 室伏鴻)。2016年、旅回り一座 ゑびす大黑座を立ち上げ、様々な地域で巡業公演を行う。 2018年より、学生や様々な地域の住民と、地域社会が抱える問題を題材に「舞踏ミュージカル」の創作を行っている。平成22年度 文化庁新進芸術家海外研修派遣制度研修員。
Daiji Meguro・・・https://daijimeguro.jimdofree.com/
2024年
5月26日(土)
午後 2-4時
小説家 保坂和志
Hosaka Kazushi
思想家 酒井隆史
Sakai Takashi
公開対談
会場:徳正寺本堂
料金:2,500円
対談後、サイン会アリ