百年前の昨日8月16日(水) 井上正子日記

1922年(大正11)8月16日

八月十六日 水曜日 晴 起床五時半 就眠十時半

弟の病気はいいので、今朝から起きたり寝たりしている。

夕暮れ少し前、はげしい夕立が一しきりして後はからっとなる。

涼しい風はたまらなく気持ちよかった。

私の大好きな京の名物大文字は東山に美しくともるのであった。



京都市全景パノラマ地図


 本地図は、井上正子日記、タイトルを明かすと『ためさるる日 井上正子日記 1918-1922』の挟み込み附録として作成中の「京都市全景パノラマ地図」の一部分である。清水吉康 作図『近畿地方パノラマ地図』(金尾文淵堂、1922〈大正11〉4月刊)を原図としており、正子日記が書かれた頃の洛中洛外(市区とその周縁)の様子が手に取るようにわかり、視覚的にも興味が尽きない。日記に現れた地名や名所旧跡を地図の上でたどれるよう格子座標をほどこして、日記を読みながら座標を頼りに足跡が確かめられるように工夫したり、日記中に書かれた地名・名所で、原図にない個所は、その位置に地名の札を補った。「徳正寺」の札のみは、原図の手書き文字を複写して配置している。


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1922年(大正11)8月28日 八月廿八日 月曜日 晴 起床五時 就眠十時 朝食後、直に大谷大谷[東山の大谷祖廟/図地 g-3]へ参詣に行く。黒味を帯びたる緑の松の木の間からかすかに美しい朝の日の光はさしこんでいる。 石の敷石は掃き清められているのが遠く連なっている。 二、三の人影が見える。私の歩む下駄のひびきがはっきり分かる。 静かな朝の気分にうっとりとひたりながら何にも考えないで足を運ばせる