百年前の昨日と今日 1922年7月12日(水)13日(木) 井上正子日記

奇蹟と云う事がある。私たちは奇蹟を信じたい心持ちになっている。


1922年(大正11)7月12日

七月十二日 水曜日 晴 起床六時 就眠十時半

やかましい試験もすんだ。どんな成績があたえられるか私は考えない。

先生と賀茂の方へつれていただく。

緑の木陰に安らかにのびのびとやすむ。

苦しい試験の事はすべて忘れて……


1922年(大正11)7月13日

七月十三日 木曜日 晴 起床六時 就眠十時

従弟はあのままの状態でまだもてている。

こんなにもてるのなら助かるのかもしれないなんて事まで云う。

心臓が強いのかしら、一つの食物も取らず衰弱し切った身体なのに。

奇蹟と云う事がある。私たちは奇蹟を信じたい心持ちになっている。


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1922年(大正11)8月28日 八月廿八日 月曜日 晴 起床五時 就眠十時 朝食後、直に大谷大谷[東山の大谷祖廟/図地 g-3]へ参詣に行く。黒味を帯びたる緑の松の木の間からかすかに美しい朝の日の光はさしこんでいる。 石の敷石は掃き清められているのが遠く連なっている。 二、三の人影が見える。私の歩む下駄のひびきがはっきり分かる。 静かな朝の気分にうっとりとひたりながら何にも考えないで足を運ばせる