百年前の今日 1922年8月9日(水) 井上正子日記

更新日:8月10日

1922年(大正11)8月9日

八月九日 水曜日 起床五時半 就眠十時

目が覚めるのを待ちなり待ちかねた様に海辺に行く。

朝の大浜は又趣がある。人の多くいないのも気持ちがいいし威勢のいい魚市の開かれているのも珍しい。

朝御飯がおかげでほんとにおいしい。□午後

直ぐ大阪へ行く。赤毛とで、道頓堀千日前、心斎橋を見物して三越へ向かう。何から何まで揃っているのに感心して、いよよ赤けっとを発揮する。食堂で昼食をすまして一番上に上る。

ここでは、はてしない全市のいらかの海に驚く。

いらかのみではない。宏壮な建物、大阪城等は私等の目に驚異にうつる。

疲れたし又、海へも入りたいから〝早く堺に帰りましょう〟と母を促して帰る。

くたびれていた。けれど、私等は海水浴のしたいのがそれ以上だった。

夜はつかれた身体をなげ出して休む。


赤毛と 〈赤ゲット〉明治から大正期にかけて、地方から都会へ旅行する人が赤い毛布(ケットはブランケットの略)をまとっていたことから、都会見物の田舎者。おのぼりさん。




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1922年(大正11)8月28日 八月廿八日 月曜日 晴 起床五時 就眠十時 朝食後、直に大谷大谷[東山の大谷祖廟/図地 g-3]へ参詣に行く。黒味を帯びたる緑の松の木の間からかすかに美しい朝の日の光はさしこんでいる。 石の敷石は掃き清められているのが遠く連なっている。 二、三の人影が見える。私の歩む下駄のひびきがはっきり分かる。 静かな朝の気分にうっとりとひたりながら何にも考えないで足を運ばせる